心理学と統計学を駆使することで、夫婦円満には秘訣となるいくつかの項目があることが、明らかにされています。
アメリカでは2組に1組の夫婦は離婚してしまうという現状があります。
夫婦と言えども赤の他人同士、他人であるだけでなく性別も違う2人が上手くやっていくのは、本来難しい事なのです。
この結果は日本では、あまり耳にすることのないTipsですが、海外では有名な話で、日本人には意外な結論となっています。
この記事では、研究の理論と結果を解説していきます。
心理学者 ジョン・ゴットマンの研究
この研究を行ったのは、ワシントン大学の心理学名所教授であるジョン・ゴットマン博士です。
彼は、夫婦関係や結婚生活の安定性の研究で有名で、 ”離婚の予測” という研究テーマを持っており、彼の研究ではほぼ90%程度の確率で予見できるという結果になっています。
ジョン・ゴットマンは数百組のカップルが会話等、あらゆることを観察して記録しました。
何が会話されているのか、各カップルの肌の伝導力、顔の表情、心拍数や血圧、等です。
それらのパラメータを統計学を元に計算することで、カップルが離婚するかどうかの最も重要な判断材料の1つを発見しました。
会話の中でそれぞれがポジティブかネガティブか
彼が研究により発見したのは、会話の中で夫婦がお互いに感じる感覚が、ポジティブかネガティブかという要素が、離婚を判断する大きな要素になるということです。
お互い仲の良いカップルは、ジョン・ゴットマンが測定のために定量化した、ポジティブなポイントがネガティブなポイントよりはるかに多かったのです。
逆に、仲の悪いカップルは、負のスパイラルに突入したかのように、ネガティブなイメージがお互い強まっていました。(下図参照)
この結果を元に、ゴッドマンは90%以上の確率で、あるカップルが今後離婚するかどうか判断することが可能となったのです。
何が原因なのか
ゴッドマンは、何がポジティブ・ネガティブな影響を、お互いに引き起こすのかも研究しています。
彼は、数学者のジェームズ・マレーと協力して何が原因なのか、行動を定量化して測定しある方程式を導き出しました。
導き出された方程式を日本語に訳すとこのようになります。
妻が受ける印象 = 1人の時の妻の気持ち + 夫といるときの妻の気持ち + 夫が妻に与える影響 |
夫が受ける印象 = 1人の時の夫の気持ち + 妻といるときの夫の気持ち + 妻が夫に与える影響 |
びっくりするほどシンプルですね。
感覚的にも、そんな感じだろうと予測できてしまいそうな結果です。
しかし、この研究では、それが統計的に実験から導き出され、実証されたということに意味があるのです。
感覚の閾値に対しての研究
この実験の結果を見て、みなさんはどのように感じたでしょうか。
カンの良い方ならこう思ったかもしれません、
” 人によってポジティブに感じたり、ネガティブに感じたりする感覚は、同じ話をされても感じ方はそれぞれ。
大きな心で何を言われてもポジティブに感じてしまう人が、仲の良いカップルに多いだけではないのか? ”
ポジティブ・ネガティブの閾値が人それぞれなので、その違いなのでは?という疑問です。
ゴッドマンはこの点にも言及した研究を実施しています。
結論は我々が思っているのとは大きく違った
多くの方は、夫婦はお互いに干渉せずに、意見の食い違うことには目をつむるのが、夫婦円満の秘訣であると思っていませんか。
大抵のことは受け流し、どうしても議論しなければならない重大なことだけ議論するのが良いとか。
しかし、この実験の結論は、それと正反対だったのです。
この結果をまとめると仲の良いカップルの特徴は大体以下のようになったようです。
- どんなことも受け流したりせずに、お互いに不満を言い合う余地を残している。
- 継続的に関係を修復しようと試みている
- 結婚に対する見解はポジティブ
- どんな些細なことも受け流さず話し合う
日本人が考える、昔の夫婦のような感覚とは全く違うと思いませんか。
この結果は言い換えれば、科学的に夫婦間で怒りをため込むべきではないと、導き出されたと言えます。
しかしながら、ただ不平不満を口に出して訴えればよいというわけではない。と個人的には思います。
我々日本人には、些細なことも受け流さないが、話の仕方(言い方)は夫婦円満の大きなファクターであると思います。
まとめ
研究結果をまとめると、夫婦円満のコツはこのようになりました。
- 相手にポジティブな印象を与える話しを心がける
- どんなことも受け流したりせずに、お互いに不満を言い合う余地を残す
- 継続的に関係を修復するよう心掛ける
- 結婚に対する見解をポジティブに保つ
- どんな些細なことも受け流さず話し合う
いかがでしたでしょうか。
私もそうでしたが、実験から導きだされた結果は想像と違う部分も多かったのではないでしょうか。
これを踏まえて、夫婦生活を送れるようになりたいと思います。
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