世界的に見て日本の大学の学費はとても高額なことをご存知でしょうか。
日本では年間で私立では文系でも80万円程度から、理工系では130万円程度からの大学が多いと思います。
医学科や歯学科になるとそれ以上です。
日本以外の多くの人と仕事をしていると、彼らが日本の学費の高さに驚いているのをしばしば見かけるようになりました。
若い時は気にしていなかったようですが、子供ができる世代になってやっと実感している様子でした。
日本人である私は逆に、日本の学費がそんなに高額なのかと考えさせられました。
そんな経験から、どこの国が大学の学費が安いのか調べてみました。その国の国民であれば授業料が無料か日本と比較するとほぼ無料のような値段の国です。
また海外から留学した場合の値段も併せて調べてみました。
スポンサーリンク
これから紹介するのは全部ヨーロッパの大学です。
私がヨーロッパにこだわってまとめたわけではなく、EUというほかの国々にはない特殊な環境と、ヨーロッパの教育に関する考え方から来るところが大きいと思います。
様々な国が出てきますので、位置関係を確認しながら見れるように、位置的にヨーロッパの中心であるオーストリアのマップを下に記載しておきます。
1.ノルウェー
ノルウェーには世界中から多くの学生が集まる国です。そのため校内にはいろいろな国籍の人がおり、多様な文化に配慮された文化が根付いているそうです。
ノルウェーでは日本と同様に公立大学と私立大学がありますが、公立大学では授業料は無料です。しかし私立大学ではその他のEU加盟国と同様程度の授業料が必要となります。
しかし、私立大学でも多くの国で外国籍の留学生が自国の学生より授業料を多く払わなければならないのに対して、ノルウェーでは私立大学では自国の学生も外国籍の学生も同じ授業料を納めればよいだけの様です。
ひどい国では外国籍の学生は自国の学生より倍近い授業料を納めなければならない中、これはうれしいですね。
しかしながら、ノルウェーは世界でも有数の物価が高い国です。一人暮らしでも20万円以上する場合もあります。
物価が高いので学費が無料でもTotalではマイナスになってしまうかもしれません。
2.スウェーデン
続いてはスウェーデンです。スウェーデンはノルウェーのお隣りですね。
ヨーロッパでは授業が英語で行われている所が多いのですが、ここスウェーデンはその先駆者となった国です。
またスウェーデンには40個の大学(日本人からすると少ない気がする)が在り、教育レベルも世界トップレベルです。
学位(単位)の数も約900もあり、学ぶには優れた環境のようです。
気になる授業料ですが、スウェーデン国内およびEU加盟国に永住権を持っている人は無料。それ以外は80000~140000 SKE(デンマーククローネ)が必要になります。これは日本円に換算すると大体140万~250万程度です。
EU加盟国の永住権があれば安いですが、それ以外の国にはちょっと値段が高いですね。
スポンサーリンク
3.フィンランド
フィンランドには約40の大学があり、大学では30万人以上の学生が学んでおり、そのうち留学生は2万人だそうです。
フィンランドも先のスウェーデンやノルウェーと同様に、自国とEUの国々に永住権を持つ学生に対しては授業料が無料です。しかし、それ以外の外国人に対しては大学によって6000ユーロ以上の授業料が必要です。
6000ユーロ(約80万円)が最低授業料なので、日本から行った場合は日本の大学と同等かそれ以上の金額が必要になるでしょう。
しかし、交換留学生制度というものがあるようで、フィンランドの大学と交換留学を提携している大学からは無料で留学できるようです。その場合は自国の大学の費用がその間発生する可能性もあります。
4.デンマーク
世界幸福度調査で毎回上位にランクインする国がデンマークです。
デンマークも他のヨーロッパ諸国と同様に世界的に見ても高いレベルの教育機関がそろっている国です。
国内には約30の大学が在り、英語で受けられるカリキュラムでは500以上の単位があるようです。
デンマークも北欧諸国と同様で、自国やEU加盟国に永住権を持っている人、及び交換留学生プログラムの学生は学費が無料です。しかし、それ以外の人は年間6000~16000ユーロ(約80万円~200万円程度)の学費が必要です。
スポンサーリンク
5.ドイツ
ドイツは海外からの留学生に人気の国です。何度か留学したい国ランキングで1位を取っているそうです。
授業料を見るとなぜ人気なのか解る気がします。
ドイツは公立大学であればEU加盟国の人でも、そうでない人でも授業料が無料なのです。
私立大学も存在し、こちらは授業料が発生します。
ドイツで公立大学の授業料が無料なのは、ドイツでは教育は商業的であるべきではなく、経済成長と福祉充実への誰もが持つべき権利であるとの考えからとのことです。
また、ドイツの大学の教育水準も高く、いくつかの大学は定期的に世界の大学TOP100にランクインしています。
6.オーストリア
オーストリアはヨーロッパのほぼ中央に位置しており、空路・陸路・鉄道で近隣諸国とのアクセスも良いためヨーロッパ各地から多くの学生が集まります。
大学などの高等教育機関は世界中の尊敬を集めるほど優秀です。
特にウィーンはオーストリアでは最も古い都市ですが、有名大学が多く歴史ある街並みも有名です。
授業を英語で行う単位も多いようで、200学位も存在しています。
気になる授業料ですが、公立大学においてはEU加盟国の永住権を持つ方は無料。それ以外からの留学生は年間1500ユーロでたった19万円程度です。
私立大学は大学によって値段が違います。
スポンサーリンク
7.フランス
フランスの高度教育システムはヨーロッパで最高と言われています。
なんと、何十ものフランスの大学が世界の大学ランキングで上位を占めています。
特に経営学を学ぶようなビジネススクールに有名校が多いです。
フランスもほかのEU諸国と同様で、公立大学ではEU永住権を持つ者は無料。海外からの留学生は3000~4000ユーロの授業料がかかります。これは日本円で40万~50万円程度です。
しかし私立大学はEUの中でも高く20000ユーロも必要なようです。
8.ギリシャ
ギリシャの大学は世界でもトップクラスの大学が在るわけでもなく平均的な大学が多いようです。
しかしながら、大学の授業料は良心的で公立校はEUの方は無料。海外からの留学生は年間1500ユーロほど。日本円にしてたった20万円程度です。
それに加えて、ギリシャの生活費はほかのEU諸国と比較して低い方なので生活費も比較的手ごろな価格で済むものと思われます。
スポンサーリンク
9.ポーランド
ポーランドは学生にとってとてもコストが安い国です。
EUの中では、もしかしたら最も生活費が安くて済む国だと思います。
大学の授業料はEU永住権取得者はもちろん無料。他の国からの留学生は年間1500ユーロ(日本円で20万円)程度です。
10.スロベニア
日本ではあまり聞かない国ですが、ここも授業料は安いです。
ポーランド同様、スロベニアも生活費が安く、且つ学費も安いためコストを抑えるのにはもってこいの国です。
公立大学の場合は、EU永住権取得者と交換プログラムの学生は無料。それ以外の学生は年間5000ユーロ(60万程度)です。
私立大学の場合はその大学によって値段が変わりますが、高額なようです。
まとめ
考え方の違いだと思いますが、調べてみるとEU加盟国はお互いの国々で永住権を持つ者は、ほとんどの国で公立大学の授業料が無料です。
結果的に以下の国々ではEU加盟国の人は無料となっていました。
オーストリア、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、ノルウェー、ポーランド、スロベニア、スウェーデン
EU以外の留学生に対しては、高い授業料を科す国もありますが、日本より高額なところはありませんでした。
アメリカの様に、問題にもなっている超高額な大学授業料で学生ローン地獄に陥るより、同じ英語を使う授業なのでヨーロッパへ留学する方が得だと思います。
このような海外の制度を生かして安く留学するには、TOEICで所定の基準をクリアしなければなりません。
多くの学生はこれに手こずるでしょう。
親御さんの考え方によっては、幼児教育から英語を十分に教育して、大学に入る年齢になったらヨーロッパの大学に、というのも良いかもしれないと思いました。
[amazon_search_be]留学[amazon_search_af]
スポンサーリンク
スポンサーリンク