2017年4月14日。今日のBreaking Newsで、各社が
”4月13日に米軍が通常兵器で最強の爆弾をアフガニスタンのIS拠点に投下”
というニュースを一斉に報じました。
内容は、米軍は13日、通常兵器としては史上最強の爆弾をアフガニスタンにある過激派組織「イスラム国(IS)」の拠点に投下したというもの。
攻撃に使用されたのが、「GBUー43/B 大規模爆風爆弾兵器」(MOAB)という史上最強の爆弾で、実践使用は初めてという事でした。
私は特に兵器に詳しいわけではありませんが、バンカーバスターやクラスター爆弾は知っていますが、このGBU-43/Bというのは、初めて聞きました。
そこで、このGBU-43/Bについて、海外サイトの情報をまとめてみました。 スポンサーリンク
仕様
GBU-43/Bは核爆弾以外では、世界で最も広範囲を爆発させることが出来る爆弾ということです。
この爆弾は、広範囲なエリアで、強固に武装したターゲットや、地上のシェルターに隠れているターゲットを爆破するために設計されました。
爆発による爆風は、11トン級のTNT火薬の爆発に相当します。
これは、原子爆弾と比較すると、広島型原子爆弾の爆風は15トン級TNT火薬に相当する爆風です。
爆弾の大きさはは、長さが30フィート(9メートル)、幅が40インチ(1メートル)、重さは21000ポンド(9,500キロ) で、 広島原爆よりも重い重量となっています。
この爆弾は、核エネルギーは使用しておらず通常兵器に分類されています。
そのため、核爆弾のように、放射能による永続的な悪影響を被爆地に残しません。
歴史
初めての使用は2003年に予定されました。
アメリカ軍より、湾岸戦争の際にイラク進攻に備えて準備していましたが、実行されませんでした。
また、イラクの独裁者だったサダムフセインが、GBU-43/Bを "Mother of all boms(全ての爆弾の母)” と言ったという話から、その頭文字を取って、別名 MOAB (モアブ)と呼ばれることもあります。
そして、2017年4月13日に、アメリカ軍が初の実戦での使用をしました。
アフガニスタンのNangarhar州のAchin地区の「ISのトンネル複合施設」に投下され、地上6フィート(約1.8m)で爆発し、残されたクレーターは、300メートル以上の幅にのぼったそうです。
また、レポートによると、この範囲の地上にいた人間は、全て気化してしまったであろうと予測されています。
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実戦での投下方法
このサイズと重さの爆弾は、爆撃機に搭載することは簡単ではないということです。
そのため、搭載可能な爆撃機は、独自の搭載システムを装備した爆撃機に限られているということです。
爆弾の投下には、パラシュートを使用して箱のようなパレットで投下され、直後にパレットから分離し、グリッドフィンと呼ばれる、折り畳み式の尾翼が開き、降下の方向を制御します。
その後、自由落下の終端速度まで加速し、衛星から送られるGPS情報を介して、セットされた目標に到達する仕組みになっています。
目的のターゲットまで到達すると、地面から6フィート(1.8メートル)上に爆発します。
その爆発の際には、破壊的な力を垂直方向ではなく水平方向に広げるための、「エアバースト」メカニズムを使って爆発する。
対向するロシア
アメリカによるMOABの開発後、ロシアではMOABの4倍の威力があるとされるサーモバリック爆弾 (ATBIP) が開発されたました。
これにより、冒頭でGBU-43/Bが原子爆弾以外では威力が最強であると、記載しましたが、実際は2番目であると思われます。
(しかしながら、実践投下のニュースでは、USAでもUKでもGBU-43/Bの事を、最強の爆弾と表現しているので、冒頭では最強と記載しています。)
ロシアのサーモバリック爆弾はMOABへの対抗心から、全ての爆弾の父(Father of all bombs)というニックネームが付けられています。
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感想
個人的には、この爆弾の存在をニュースを見て、調べてみて初めて知りました。
MOABが史上最強にしろ、2番目に最強であっても、ものすごい威力の爆弾であることは間違いないです。
核以外の通常兵器いわれる物ですら、一発で300m四方を殲滅してしまう兵器は恐ろしいです。
核を原料に使用している、原爆や劣化ウラン弾は使用を制限されています。
それは核が残るから制限されているわけですが、MOABほどの威力は同じように制限されても良い気がしてしまいました。
昨今のアメリカやヨーロッパ諸国でも、個人主義が台頭してきている中、その主張のために戦争が起こらないことを願うばかりです。
通常兵器といえども、威力が確実に増している為、もしも大国同士が戦争をしたら、取り返しのつかないことになってしまうだろうと思いました。
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