車のタイヤを新品に交換したばかりなのに、以下のような経験をお持ちの方も多いと思います。
- 新品タイヤに交換したのに空気圧が今までよりも下がっていた。
- 新品タイヤに交換したばかりなのにパンクした。
こういった場合は、誰でもタイヤの初期不良や交換した業者の取り付け不良を疑ってしまうと思います。
確かにそのような可能性はありますが、個人的にはその可能性は実際はとても低いと考えています。
では、なぜこのような事になってしまうのでしょうか。
それは、新品タイヤは必ず1か月で10~20kPa程度空気圧が減ってしまうという事実があるからです。
しかも、これは空気が全く漏れなくても起こるのです。
今回は、その原理と対処法等をまとめてみたいと思います。
タイヤが成長する
サマータイヤであれ、スタッドレスであれ新品タイヤはまだ空気を満タンに入れられたことがありません。
車屋さんで初めてホイールに組み込められて、空気を入れられます。
空気が入れられることによって、タイヤのゴムは初めてパンパンに膨らむのです。
この状態である程度時間が経過すると、タイヤはゴムで出来おりある程度伸びたり縮んだりしますので、タイヤも空気圧により多少伸びるのです。
結果、その分タイヤの空気圧は低下します。
これは、風船を一度膨らませると、二度目からはふくらましやすくなるのと一緒です。
風船の場合は、風船のゴムが伸びたためにふくらますために挿入しようとする空気の圧力が2度目からは少なく済む仕組みです。
これと同様のような現象がタイヤでも起こります。
このように、タイヤが慣れる(伸びる)ことを ”タイヤが成長する” と言われています。
しかし、タイヤの場合は走行に問題が無いように考えられて作られていますので、風船のように延々と空気圧が下がり続けることはありません。
ですが、新しく装着した場合は、一か月で10~20kPaも下がると言われています。
実際の所どうなの?
実際に私もこの現象は経験したことがあります。
スタッドレスタイヤを新調して、一か月半程度経過した後に空気圧を測定したところ、4本のタイヤによってまちまちでしたが、大体15kPa程度空気圧が低下していました!
空気圧は結構気にしている方だったので、タイヤ交換をしたディーラーが下手だったのかな? とか、どこかから空気漏れしているのではないか? と心配になってしまった事を覚えています。
その後、新品タイヤは慣らしが必要である事が判り、ほっとした事を記憶しています。
色々なサイトを見ると、空気圧低下の原因はバルブが古くなっていることが原因だとか、リムとホイールの接合点から空気が漏れているとかいうのをよく見かけます。
確かにそういう可能性もあるとは思いますが、新品タイヤの場合はこのタイヤの成長の事が多いのではないでしょうか。
タイヤが成長することを知らないと大変なことに!
実際に私もそうだったのですが、途中で空気圧の低下に気づいて、新品タイヤは伸びる事を知ったのでそこで空気を充填して問題になる事はありませんでした。
しかし、私の知り合いでタイヤを交換したばかりなのに、砂利道を少し走ったらタイヤがパンクしたという人がいました。
この友人の場合は、今考えると恐らくタイヤのゴムが伸びたことによる空気圧低下がその原因だったのではないかと思うのです。
JAFロードサービス出動件数にみるタイヤの整備不良
JAFサイトより引用
上に示してある統計は平成28年のJAFの原因別の出動件数です。
これを見てみると判ると思いますが、なんとタイヤによるトラブルが一般道では全体の15%、高速道路では第1位となり全体の34%を占めています。
全体的にタイヤのトラブルが大変多いのです。
このトラブルの原因の一番の原因はタイヤのパンクです。
このパンクですが、穴が開いたことによるパンクだけではありません。バースト破裂によるパンクもあるのです。
一般道に比べて高速道路でタイヤトラブルが多くなっているのは、タイヤが高回転することによりバースト破裂が引き起こされる可能性が高くなるからです。
意外と知らないのがこのバースト破裂の原因となるスタンディングウェーブ現象です。
スタンディングウェーブ現象
JAFサイトより引用
スタンディングウェーブ現象は、空気圧が低下した状態でタイヤを高回転させるとタイヤにたわみが生じてしまう現象です。
このスタンディングウェーブ現象が発生し、過度の負荷がタイヤ表面にかかる状態となると、タイヤは負荷に耐え切れずバースト破裂していまいます。
このスタンディングウェーブ現象を引き起こしてしまう空気圧低下の原因は、古すぎるタイヤを装着しているためだったり、ホイールとマッチしていないタイヤを無理に装着したり、タイヤに傷が出来たことによる空気漏れだったりするかもしれません。
空気漏れの原因を探れるデータを見つけることが出来なかったので憶測ですが、
上記の様な原因よりも、新品タイヤを装着してタイヤの成長による空気圧低下を知らず、そのまま乗っていたため、それ以外にも経年による空気圧低下もプラスされて空気圧低下を招いてしまったと思うのです。
どのような対策ができるのか
タイヤが成長(タイヤが伸びる)という事実。タイヤの空気圧不足によるトラブルが多いという統計結果から、どのようにすればこれを防ぐことができるのか考えてみました。
1.新品タイヤの空気圧は要注意
新品タイヤは、スタッドレスでもサマータイヤでも、どんなに高価なタイヤであったとしても初めの1か月程度で10~20kPa程度減少することを理解して、新品タイヤに履き替えた数か月は細目に空気圧をチェックしましょう。
2.タイヤの空気圧を気にする
タイヤの空気圧は、新品タイヤでなくとも経年により低下していきます。
これは空気分子が、タイヤのゴムを構成する分子よりも小さいためです。空気を外に漏らさないための特殊なフィルムがタイヤ内に貼られていますが、それでも空気が自然に漏れるのはしょうがないことなのです。
この事を理解して、普段からタイヤの空気圧に対して気にしておく事は必要だと思います。
3.高速道路に乗る前にチェック
高速道路では、タイヤに対する空気圧低下の影響が顕著に出てしまいます。
また、高速道路でバーストを起こしてしうのは周りの車だけでなく、自分の車と同乗者に対しても非常に危険です。
バーストによりハンドル操作が効かなくなり、事故になってしまう可能性があるからです。
このことを理解し、高速道路を走る前には必ずタイヤの空気圧をチェックしてから乗るようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
新品タイヤが伸びる(成長する)ことについては、意外とご存じなかった方も多かったのではないでしょうか。
以上のことを頭に入れて、自分や家族の安全のためにもカーメンテナンスをしていく事が大切ではないかと思います。
また、上記の対策以外にも遠出をする場合にはバーストだけでなくとも、軽微なパンクへの応急処置ができる備えがあった方が安心だと思います。
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