結婚は人生で最も大きなイベントの1つです。
この結婚について、一体いつが適齢期で、何を元に相手を決定すればよいのでしょうか?
何歳で? どんな相手と? 今のパートナーが本当にベスト? 年収で決めるべき? 容姿を優先すべき?
これに対しては、現代の数学、確率論・統計学より、1つの科学的な答えが出ているのをご存知でしょうか?
これからこの問題に取り組む皆さんの参考になればと思い、占いやフィーリングだけではなく、科学的な計算により導き出されたこの答えについて説明していきます。
(本題を説明する前に、いくつかの恋愛に関する数学的事例を紹介しています。手っ取り早く本題を確認したい方は、ベストパートナーの選び方の項目から見てください。)
数学者:ハンナ・フライ
この理論を紹介しているのは、ハンナ・フライというユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの講師を務めている人物です。
日本では彼女の事を知らない人が多いと思いますが、イギリスでは講師のみならず、ラジオDJやBBCでの番組出演経験のある名の知れた数学者です。
また、数学者であるだけでなく、美貌の持ち主であり、数学の面白さを伝えるために多くのメディアにも出演されている方です。
彼女の事について、興味のある方は、オフィシャルHP (クリックで外部サイトへ移動)を参照ください。
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理想の人と出会う確率
ある数学者の男性が、イギリスで理想の相手と出会うための確率を計算し、論文にしたことがあります。
論文の題名はWhy i don't have a girl friend(どうして僕にはガールフレンドがいないのか)というものでした。
おふざけではなく、まじめに考えてキチンと数学論により計算された論文です。
ここで重要なのは、彼が理想の相手に求めた条件は特別に高いものではないという点です。
条件は以下の通りでした。
- イギリスにいるフリーで交際可能な女性
- 交際可能な程度で、彼の家の近くに住んでいる
- 適正な年齢
- 大卒以上
- 彼と気が合い、魅力的
- 彼(自分)の事も魅力的と思ってくれる
イギリス全土で、上記の条件を満たした相手は何人いたと思いますか?
答えは26人でした。
この数字が多いのか、少ないのか?
この数字は、実は地球外知的生命体が存在しているだろうと予測されている確率の、僅か1/400程度の数字なのです。
彼が一晩出かけて、その女性たちの1人に出会うチャンスは、わずか1/285,000です。
数学的な視点から見ると、ものすごい少ない確率であることが判ると思います。
恋愛は多くのパターンに満ちている
上記の論文により計算された確率は、とてつもなく低いものでした。
では、われわれは諦めるしかないのでしょうか。
ハンナ・フライは、上記のような考えには否定的と言っています。
なぜなら、人間の感情は合理的に動作するものではなく、数学的に予測するのは難しいからです。
しかしながら、だからといって上記の論文が間違いというわけではないのです。
また、数学の可能性の話をすると、数学は究極的にはパターンを見つけ出す学問ですので、恋愛のような複雑な物にもパターンを見いだせる可能性があるのです。
ハンナ・フライが例に挙げる恋愛における数学的要素の例
オンラインデートサイトに、数学者のグループが数学的統計をとるために始めた”OkCupid”というサイトがあります。
ここでは、数学者たちがユーザーに関するデータを集計しています。
そのデータを研究すると驚くべき結果が導き出されたといいます。
1.見た目の良し悪しは人気に影響しない
このサイトでは、登録者の容姿を他の登録者がランク付けする仕組みになっていました。
そのランクと受け取ったメッセージの数を比較し、容姿と人気の相関関係が判りました。
集計の結果は、容姿が良い程メッセージが多いわけではなく、一番メッセージ受信の多い集合は平均より少しだけ容姿が良いとランキングされた集団でした。
しかし、その集団の中でも、数個~100個の範囲で、メール受信集に開きがありました。
つまり、単純な見た目と人気が、正比例するわけではなかったのです。
2.サイト内では自分を良く見せようとしないほうが上手くいく
例えば、同じ容姿にランキングされた2人がいたとして、その2人が同じ数だけメッセージが受け取れるかというとそうではありませんでした。
一人は少なく、もう一人は多い結果になったとしましょう。
数学的にはこのメッセージの受信数の開きこそが、他の人と差別化できる重要な要素になるのです。
もし、あなたが逆の立場で、誰かを魅力だと思ったとして、でもみんなもその人のことを魅力的だと思いそうな場合、素直に考えると、フラれることを心配しないでしょうか?
このオンラインデートサイトでは、自分のコンプレックスを隠すために写真を加工したりするより、コンプレックスをさらけ出し少々の欠点があった方が、完璧な人より成約率があがったと言う事です。
ハンナ自身も、数学的な見地から自分を良く見せるべきではないと言います。
ベストパートナーの選び方
ここで本題である、あなたにとってのベストパートナーは、どうやって選択すれば良いのか考えてみましょう。
私たちは、生まれてから結婚するまでに、何人かの異性と付き合いデートをする事でしょう。
ここで考えるのは、人生という限られた時間内で、複数の異性・複数回のデートの中で、どうやってどの人が最善だと知ることが出来るかということです。
数学的にこの問題に取り組むとき、考慮しなければならない理論は【 最適停止問題 】です。
最適停止問題
最適停止問題とは、期待報酬を最大化したり、コストを最小化するために特定の行動をとる最適なタイミングを決定する数学的問題です。
最適停止問題は、統計学・経理学・数理ファイナンス・オペレーションズリサーチの分野で、現実に応用されている数学的命題の一つです。
結婚のタイミングにおけるの最適停止問題
結婚のタイミングにおける最適停止問題を考えるために、ある程度の条件でパターンを絞ります。
以下の条件を設けた場合を考えます。
- 15歳で初めてデートをして、理想的には35歳までには結婚したい
- 結婚は一度きりで、その後の可能性については知ることができない
- 一度別れたらよりを戻すことはできない。
この条件で、ハンナ・フライが最適停止問題に当てはめて計算すると、結果は最初の37%の人まではプロポーズを断るべきだという答えが導き出されたというのです。
判りやすく言うと、はじめの37%以降の異性からベストな人を選ぶことが最善というわけです。
しかし、この計算から導き出された数字を実践するには、リスクがあります。
初めの37%に到達するまでの間に、あなたにベストな相手が現れていたら?
または、37%以降でもあまり良い人が現れなかったら?
そもそも、自分がいま全体の何パーセントの異性と付き合っているのかわからないのです。
実は、この37%の法則は、100%ベストなパートナーを見つけることができる、完璧な方法というわけではありません。
しかし、他のどんな戦略にも勝るものであることは、数学的に間違いないのです。
自然界に当てはめて考える
先に説明したように、数学は自然界のパターンをわかりやすい形にするための学問です。
逆に考えれば、37%の法則が正しいのであれば、自然界にも現象として表れているはずなのです。
ハンナ・フライの説明には、実際にある種類の魚は、交配時期に出合った最初の37%の恋の相手は必ず拒絶し、次に現れるこれまで出会ったどの魚よりも大きくて頑丈な魚を選ぶ生態を持っているそうです。
人間では?
先の説明のように37%の法則は間違いないのは確実です。
ですが実生活では自分が今現在、自分が一生のうちにお付き合いする異性の何パーセント目の人とお付き合いしているか、判らないのです。
それについてハンナ・フライは年齢を目安とする事で、ある程度判断できるのではないかと紹介しています。
彼女の考えでは、人間も上記の魚と潜在的に同じことをしていると言います。
私たちは、若い時にフィールドに出て、少し経済や市場というものを肌で感じます。
そして20代半ばから後半に差し掛かる頃、本気で潜在的な結婚相手を探し始めるのが、一般的ではないでしょうか。
これはすべての人が本能的に、数学的な思考が予め配線されているのだという決定的な証拠だというのです。
ハンナ・フライは偶然とコメントしているようですが、彼女自身もこの37%以降に出会った男性と結婚しています。
実際の生活に生かすには、将来も含めて自分が付き合う異性の総数がわからない限り、完璧に応用するのは難しいです。
しかしながら、少なくともあまりに早い結婚がベストでないことは、数学的にも確かです。
また、結婚しようとする相手と、それまでに付き合ってきた異性の総数を比較することで、ある程度見極めがつくかもしれません。
これは数学のお話しですが、知っているか知らないかで、運命が分かれるかもしれません。
皆さまの参考になれば幸いと思います。
関連記事、「【夫婦円満の秘訣】最新心理学と統計学により導き出された最良の方法とは!?」も参照いかがでしょうか。
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