この記事をご覧になられている方は、小さなお子さんがおり、これから犬を飼おうと考えている方か、既に犬を飼っており、これからお子さんがお生まれになる方だと思います。
ネットの記事やその他で、子供の教育には犬がいる事は良い影響を与える、という趣旨の記事を目にすることがあります。
ですが、実際はどうなのでしょうか。
私はもともと犬を二匹飼っており、その環境で第一子が生まれ、子供が生まれて3年目に突入しました。
この記事では、子供の成長に対して、犬を飼っている事のメリットや、大変な事なども紹介しようと思います。
皆さんの、子供とワンちゃんの関係を考える上での、一つの参考になればと思います。
実際のメリット・デメリット
まずは、デメリットから上げてみようと思います。
デメリット
1.赤ちゃんだけでも大変なのに+αの手間がかかる
もうこれはしょうがないのですが、犬がいることで、その分のお世話がプラスされてしまいます。
ワンちゃんには少なくとも、一日2回の散歩は必要です。
それと、朝晩のご飯。糞尿の世話や、ケージの掃除などが必要です。
実際に毎日夫婦で協力してこなしていますが、共働きの世帯にはちょっと無理なレベルだと思います。
犬をただ飼うだけでなく、ワンちゃんにも満足のいく生活を送ってもらいたいと思うと、そのくらいの作業量が発生します。
子育てと、十分な犬の世話をしようと思った場合は、我が家もそうですが、奥さんだけでなく、旦那さんも協力して日常の作業を分担する姿勢がないと厳しいです。
2.子供のお昼寝を邪魔される
子供が赤ちゃんの間は、3時間おきに寝たりしますし、機嫌が悪いと泣いたりします。
ただでさえ、母親には精神的にも肉体的にも負担が大きいです。
母親が、家事や自分の好きな事ができるのは、子供が寝ている時だけだったりするからです。
しかしながら、ワンちゃんがいると、せっかく子供が寝てくれたと思っても、テレビやインターホンなどで、ワンちゃんがワンワン吠えたり騒いだりして、赤ちゃんが目覚めてしまうことが良くあります。
ワンちゃんをしっかりとトレーニングできて、吠えないようにしつけられるスキルがあれば別ですが、大抵の方は、これにも悩まされるでしょう。
3.人畜共通感染症・衛生環境
子供が小さい間は、特に衛生環境に気を使います。
人畜共通感染症をご存知でしょうか? 鳥インフルエンザのように動物にも人間にも感染する感染症の事です。
最近はワンちゃんを飼うと、室内飼いがほとんどだと思います。我が家もそうです。
住環境が一緒の場合、ワンちゃんには定期的に混合ワクチンの接種などをさせるのはもちろん、犬が興味本位で赤ちゃんをなめることは阻止していました。
特に、授乳後は赤ちゃんの口からミルクのにおいがするので、ワンちゃんが寄ってきてペロペロしがちですので、気を付けなければなりません。
私は、たとえ赤ちゃんの口ではなくとも、なめられた場所は拭いています。
以前に話題になった話では、アメリカ研究で、犬を飼っている人の胃がん発生率が高いという事で、調べたところピロリ菌が、ワンちゃんの口から人間に感染していたことが判ったという記事をニュースで見たことがあります。
しかもこのピロリ菌は、通常のピロリ菌とは違い、現在の検査では感染を確認できない菌だという事でした。
ただ、ピロリ菌の感染力は弱いので、口移しや、口同士のキスでもしないと感染しないという事です。
また、犬の糞尿についても赤ちゃんが触ったりしないように、常に犬のトイレも清潔にしておく必要があります。
4.事故にあう危険がある
我が家の場合は、まだ子供が首も座らない状態の頃から、犬と同じ部屋で過ごしていました。
ブログなどを見ると、犬と赤ちゃんの同居は問題ないという意見もありますが、私は問題がないわけではないと思っています。
犬が故意でなくとも、じゃれたり、興奮したりした時に偶発的に赤ちゃんに危害が加わる可能性があります。
そのため、我が家ではハイ・ローベッドが必需品でした。
メリット
ここからは、メリットだと思うことを上げていこうと思います。
1.子供の観察力が高まる
おそらく犬と一緒に生活しているからだと思うのですが、犬は私たち人間の子供の親とは全く違う行動をするために、犬が何をしているのか、何を要求しているのか観察しているときがあります。
その子の生まれ持っての性格もあるかもしれませんが、言葉の通じない犬の行動を観察し、察知することで、犬が怒っているのか喜んでいるのかくらいは考えているようです。
コミュニケーションをとる上で、空気を読むというようなことは、こういった観察能力も関係しているのではないかと私は思います。
少なくとも親と子供だけの生活より、犬がいることで、脳に多くの刺激が送られることは確かです。
2.他人に対しての加減が判る
小さな子供は、力の加減が判りません。
気に入らないとはたいたり、蹴ってみたり。 兄弟がいる場合は、兄弟げんかで自分も痛いと感じるので、加減が判ってくると思います。
しかし、一子目や一人っ子の場合は、お友達とひどい喧嘩でもしない限り、そういった事を実感できないため加減ができない子が多いように思います。
我が家では、犬は何もなければ穏やかにしておりますが、子供が犬をはたいたり、ちょっかいを出したりするとさすがに犬が怒ります。
犬自身も判っており、本気で噛むことは無いですが、甘噛み程度ならあります。
子供にとっては犬に怒られたと思い、大泣きしますが、こういったほかの人に悪い事をすると怒られるとか、そもそもはたいたりすること自体が悪い事だという事をわからせるきっかけになっています。
初めは、犬に対していろいろ無茶をしていたわが子も、少しづつ学習して、手荒なことはしなくなりました。
もちろん、親に対しても、嫌な事があるとはたいたりしていましたが、今はなくなりました。
3.思いやりを育てるきっかけを作れる
子供にとって、自分より小さい犬のような存在がいることは、思いやりを育てるきっかけになると私は考えています。
先ほどの項目のように、子供は犬に対して時にははたいたりします。
しかし、親である私たちは、それを注意してあげて、自分より小さい相手には優しくしなければいけないことを教えるようにしています。
下に兄弟姉妹がいれば同様の事を教えることができますが、第一子目では犬でもいなければ教えることが難しかったと思います。
4.自分の思い通りにならないことを理解させられる
犬といえども、飼い主が愛情をそそいでいれば、子供と一緒です。犬は3歳児程度の頭脳をもっています。
一日に何度か、犬も飼い主に甘えてきます。
しかし、小さな子供はそれに対して、やきもちを焼きます。
我が家では子供が生まれた後も、犬に対しても変わらぬ愛情を注いでいます。
そのため、我が子だから優先することはしません。なので、犬が甘えてきている時に子供が割り込んできても、「いまは〇〇(犬の名前)の時間だよ」と子供に言い聞かせています。
なんでも自分が優先されるわけではないという事を伝えられ、聞き分けが良くなりました。
5.親自身が間違った接し方に気が付く
私はこれが本当の一番のメリットだと思っています。
犬を育てているとしつけをある程度しなければなりません。トイレやお座り、待てのやり方などです。
これら絶対に必要な、最低限のしつけをどうやって犬に教えるのが良いかというと、家族全員が同じように矛盾なく接することが非常に大切です。
たとえば、飼い犬に対して、お母さんは犬がどこでトイレをしても怒らず、ご褒美もあげない。 一方でお父さんは犬が決まったところでトイレをしないと怒るとしたら、犬にとっては、これら矛盾した態度のせいで、ちゃんとトイレで用をたさなければならないという事にすら、気が付けないのです。
ただしく理解させるには、家族全員が一様に、犬がトイレでないところで用を足してしまったら注意してあげて、トイレで用を足したら正しく褒めて、さらにご褒美のおやつなどをあげれば、すぐにトイレも覚えます。
これは、全員が一貫して同じ様にふるまうため、犬もそのルールが理解しやすいのです。
それと、犬のしつけは子供のころに、しつけし易く。大人になってからではしつけは難しいのが一般的です。
子供と犬を一緒に考えているわけではないのですが、この犬のトレーニングをやっていると、我が子に対してもダメな事はダメ、良い事は良いと家族で一貫して同じルールで教育することが大切だと気付くのです。
よく、まだ小さいからやっても良い。と本来はいけない行為を許す方がいますが、じゃあ何歳になったらダメになるのかと疑問に思います。
特に当の子供からしたら、この間までOKだったことが、最近急に注意されるようになったと感じる事でしょう。そんな状態で子供はその意味を理解することができるのでしょうか。
これらの矛盾した行為は、一種のダブルバインドに当たる可能性があります。
ダブルバインドの説明は省きますが、子供にとって将来重大な悪影響を与える可能性があるのです。
私の場合は犬がいたことで、当たり前に聞こえるような事ですが、こういったことが経験として気がつかされ、理解することができました。
6.子供が病気に強くなる
これは、個人的な憶測で、単にうちの子が体が強いだけなのかもしれませんが。
我が家の犬は結構きれいにしている方だと思います。それでも、いろいろ舐めたりしている分、雑菌が多いと思いうのです。
恐らく、犬を飼っている家は、飼っていない家より、見た目は奇麗にしていても菌は多いと思います。
子供は、その菌にさらされて強くなっている可能性があると思います。うちの子はほかの子に比べて滅多に病気になりません。
私は、これは犬がいるおかげだと思っています。
また、2012年にフィンランドの研究で、花粉症などのアレルギーとペットに関連があり、犬や猫がいた方がアレルギーになりにくい、と読んだことがあります。
個人的な感想
私が今まで感じてきたデメリットと、メリットをまとめてみました。
良い面、悪い面がある中で、私個人の感想としては、子供と共に犬もいて本当に良かったというのが感想です。
確かに子供と犬の両立は、私も妻も本当に大変です。
しかしながら、私はそれ以上の物を犬が子供に与えてくれており、私たち親も犬から多くの事を教えてもらっていると感じています。
だからと言って、子供がいる家庭では犬を飼いましょうと言っているわけではありません。
それは、面倒を見るのが大変だからです。犬を飼ってもちゃんと面倒を見れないのであれば、絶対に飼うべきではないと思います。
これから、飼おうと考えている方や、子供が生まれる方の参考になれば幸いです。
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