我が家の愛犬が、一昨日から具合が悪いようで、普段と違いまったく元気がありませんでした。
念のため動物病院に行きましたが原因はわからず、念のため血液検査をしました。
特段問題がなかったので、良かったのですが、犬の血液検査の結果を初めて見たので、どれがどういった意味か解りませんでした。
一応、先生が各項目について説明してくれましたが、気になったのでこれを機に詳細に調べてみました。
犬の血液検査
検査項目は人間並みに多かった
これが、今回受けた血液検査の結果です。
全部で20項目ありました。
幸いにも、うちの犬は特に悪い項目はありませんでした。右側に〇印で判定が出ています。
しかし、もし一つでも×判定があったら、何を見ている項目で、どんな病気の可能性があるのか気になります。
以下に20項目すべての意味を調べたので、記載していきたいと思います。
全20項目の意味
RBC
赤血球 (red blood cell)
赤血球の数を表します。
赤血球は言わずと知れた血液の構成要素の一つで、肺で取り込まれた酸素を全身に運び、二酸化酸素を肺へ引き渡し排出する役目を持っています。
赤血球数が少ないと貧血に、多いと多血症になります。
WBC
白血球(White blood cell)
白血球の数を表します。
白血球は体に侵入した、細菌やウィルス、異物に対して免疫で対処する働きがあります。
そのため、ケガをしている場合や、体内に何らかの細菌やウィルスが侵入している場合は白血球数が上昇します。
また、何らかの病気などが原因で、体内に炎症が発生している場合も白血球数が上昇します。
HGB
ヘモグロビン量(血色素量) (Hemoglobin)
赤血球を構成する要素の1つ。赤血球のほとんどはヘモグロビンで構成されています。
肺で取り込まれた酸素を全身へ届け、二酸化炭素を肺へ引き渡します。
ヘモグロビンの数が減少すると、全身へ送る酸素の量が減り、貧血状態になります。
PCV
ヘマトクリット血球容積 (packed cell volume)
血液の構成要素は赤血球・白血球・血小板などで構成されていますが、そのうち、赤血球が血液成分のどの程度の割合を占めているかを表します。
この値が少なくなると、赤血球が少ないということで貧血の可能性があります。
また、この値が高すぎると他の血液成分が少なくなっているので、脱水症状を起こしているなどの可能性があります。
MCV
平均赤血球容積 (mean corpuscular volume)
赤血球1個の容積を計算で求めた結果。
平均赤血球容積は赤血球量とヘマトクリット値から計算されます。赤血球の容積が小さいと、赤血球1個当たりの、全身に運べる酸素の量が少ないということになります。
MCH
平均赤血球ヘモグロビン量 (mean corpuscular hemoglobin)
赤血球1個に含まれるヘモグロビンの量を計算で求めた結果。
平均赤血球ヘモグロビン量はヘモグロビンと赤血球の数から計算されます。この値が少ないと、ヘモグロビン量が少ないという事で、赤血球の酸素と二酸化炭素を運ぶ能力が落ちているという事になります。
MCHC
平均赤血球ヘモグロビン濃度 (mean corpuscular hemoglobin concentration)
赤血球に対するヘモグロビンの割合を計算で求めた結果。
平均赤血球ヘモグロビン濃度は、ヘマトクリットとヘモグロビンで計算されます。
血小板
血中に含まれる血小板の数。
血小板は傷などで出血があった際に止血する役割をもっています。
また、血小板は骨髄で作られるため、この値に異常がある場合は、骨髄に何らかの異常があるか、その他の原因が考えられます。
TP
総蛋白 (Total Protein)
血液中のたんぱく質の量。
血中のたんぱく質の中には多くの種類のたんぱく質があるようですが、その中にアルプミンとグロブミンという2つの要素があり、この2つの量を測定します。
たんぱく質の量を測定することで、様々な体の異常を検知することができます。
ALB
アルブミン (Albumin)
血中の中に流れているたんぱく質で、大部分を占めるアルブミンの量。
たんぱく質は重要な栄養源です。そのたんぱく質のアルブミンの量を調べることで、栄養状態等を調べることができます。
GOT (AST)
グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ (glutamic oxaloacetic transaminase)
血中にこの酵素がどれだけ含まれているかを計測した量。
この酵素は細胞内で活動しているものですが、細胞が何らかのダメージを受けた場合には、この酵素が血中に漏れ出します。
この血中に漏れ出した酵素の量を測ることで、異常があるかどうかが判ります。
この酵素は、主に肝細胞・赤血球・心筋・骨格筋に多く存在しているため、この値が高い場合はそれらに異常があることが疑われます。
GPT (ALT)
グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ (glutamic pyruvic transaminase)
GOT (AST)と同一で、血中にこの酵素がどれだけ含まれているかを計測した量。
この酵素は主に幹細胞に多く含まれるため、この値が上昇した場合は肝臓に何らかの異常が疑われます。
ALP
アルカリホスファターゼ (alkaline phosphatase)
血中にこの酵素がどれだけ含まれてるか計測します。
この酵素は本来体のいたるところに存在しているようですが、血中に流出している場合は、肝臓・骨・小腸からの流入を受けます。
そのため、この値が高い場合には肝臓・骨・小腸の異常が疑われます。
BUN
尿素窒素 (Blood Urea Nitrogen)
血中の尿素窒素を計測した量。
尿素は腎臓で処理され尿として流れますが、腎臓の異常などで、何らかの形で尿素が処理しきれなかった場合などに、この値が高くなります。
CRE
クレアチニン (Creatinine)
血中のクレアチニンを計測した量。
本来、クレアチニンも尿素窒素と同様に腎臓でろ過されます。
腎臓に異常がみられる場合などに、この値が高くなります。
GLU
グルコース (Glucose)
血中のブドウ糖の濃度を計測した結果。(血糖値)
膵臓から分泌されたインスリンは血中のブドウ糖をエネルギーに分解します。
このGLUの値が高くなった場合には、何らかの原因でインスリンの分泌が少なくなっていることが疑われます。
Na
ナトリウム (Natrium )
血清中のナトリウム濃度。
血液中のミネラルバランスは、浸透圧の調整や、酸塩基平衡の維持など重要な役割を担っています。
この濃度を調べることで、さまざまな異常の可能性を知ることができます。
K
カリウム (Kalium)
血清中のカリウム濃度。
血液中のミネラルバランスは、浸透圧の調整や、酸塩基平衡の維持など重要な役割を担っています。
カリウムはナトリウムと同様に、血中のミネラルバランスをとるのに重要な役割を担っています。
この濃度を調べることで、さまざまな異常の可能性を知ることができます。
CI
クロール (Chlorine)
血中のクロールの濃度。
クロールは主に食塩として体内に取り入れられます。
血液中のミネラルバランスは、浸透圧の調整や、酸塩基平衡の維持など重要な役割を担っています。
この値も、ナトリウムやカリウム同様、この濃度を調べることで、さまざまな異常の可能性を知ることができます。
CRP
C反応性蛋白 (C-reactive protein)
血中のC反応性蛋白を調べます。
体の炎症や細胞の破壊が起こると増えるたんぱく質です。
この値が高くなると、体内の炎症や細菌感染が疑われます。
感想
犬はしゃべることができません。
何か体調にトラブルを抱えてしまったときには、元気がなくなりますが、どこに痛みがあるのか伝えることができません。
飼い主や獣医さんが、検査から原因を特定できなければ、気づいてあげることができず、最悪の場合痛みを抱えながらつらい時間を過ごさせてしまう結果になってしまいます。
獣医さんも人間、100パーセント見逃さないなんてことはありえません。
飼い主もしっかりした知識を身に付けて、原因を推測できる能力を付けておいた方がよいと思います。
このまとめ資料が、皆さまの犬を救うお役にたてば幸いです。
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