結構前からよく見るようになってるモンドセレクション。
よくよく考えてみると、お菓子などの食品から化粧品まで、モンドセレクションとラベルの付いている商品を見たことがあるような気がします。
考えてみると不思議な感じ。
皆さんは、どんな賞なのか疑問に思ったことは無いでしょうか。
真剣に調査して、まとめてみました。
設立と歴史
設立 : 1961年
歴史 :
世界中の優れた市販品の評価や品質向上を目的とし、ベルギー王国経済省とECが共同で創設。
ECって、久しぶりに聞きました。
知らない人のために書いておくと、ECはヨーロッパ連合条約の事で、EUの前進になった条約です。
そもそも何を評価しているのか?
何を評価しているのかについては、お菓子などにモンドセレクション受賞などと、でかでかとプリントされていると、おいしいと評価されたものであると思っちゃいますよね。
モンドセレクションは、❝食のオリンピックだー❞ なんて言っている人も世の中にはいるみたいで。
何も知らない一般の私たちは、そうなんだと思わされてしまいます。
あいまいな情報も誤解を生むので、モンドセレクションのホームページを見てみると、そこに答えが書いてありました。
味、香り、外観やその他の感覚器官による判断の他に、消費者向けに表示されている情報、使用されている成分、革新的要素、パッケージおよび強調表示の真実性を評価します。
と明記しています。
なので、別にお菓子などの食品であれば、味がおいしいとかだけでなく、成分情報がパッケージに表示されている内容と同一内容であるかどうかも重要な審査エッセンスということです。
日本の、食品基準で言えば、パッケージの成分情報が実際と違うなんてことは、食品法でも違反していない限り、高評価されるのは当たり前じゃないかなと思ってしまいます。
ただし、詳しい審査基準は公表されておりません。
対象品目と賞の種類
モンドセレクションの対象商品はこんなにあります。
食品
- 蒸留酒、リキュール
- ビール、その他の飲料
- 食品
- 菓子
- 穀類製品
-
非食品
- タバコ
- 化粧品、トイレタリー
- ダイエット、健康
賞の種類
- 100点満点の90点以上で優秀品質最高金賞
- 80点以上で優秀品質金賞
- 70点以上で優秀品質銀賞
- 60点以上で優秀品質銅賞
意外な受賞品
大阪市水道局が販売している水「ほんまや」が「モンドセレクション第50回ワールドセレクション」にて金賞。
(現在は赤字であったため販売中止)
JCCの”龍潭豆腐よう”が最高金賞を受賞。
ギンビスの”たべっ子どうぶつ”と”アスパラガス”が金賞を受賞。
くら寿司が金賞受賞。
統計的なデータ
上記の受賞作品を見ると、私たちがイメージする様な、他の食品と比較して、特別に優れていると言うものに、贈られる賞では無さそうです。
確かにたべっ子どうぶつとか、くら寿司とかもおいしいとは思いますが、一般的な感覚としては、そんなに特別な賞をもらうほどの物なのでしょうか。
大阪の水道水にいたっては、モンドセレクションはそういったものではありません、と言っているようなものです。
だって、水道水の受賞って、何の賞なのでしょう。
というより、ネット上にはモンドセレクションにたいする疑問の声もありますが、大阪の水の受賞がきっかけで調べた人も、多いのではないかと思うくらいです。
2016年公式発表データ
2016年分の公式なデータでは、2938点の製品が申し込まれたそうです。
そのうち最高金賞が425。 金賞が1261。 銀賞が777。 銅賞が155。 受賞合計:2193点
2938点の申し込みがあり、2193点の受賞ですよ。 受賞率:74%
ものすごい高確率の受賞です。 ほぼ出品すれば賞がもらえる状態と言ってもおかしくないくらいの受賞率。
また、出品地域の統計をみると、アジア地域からの出点がダントツに高く、全体の8割を占めます。
しかも、審査費用が15万円です。
2193点の審査があったのですから、15万円の料金をもらえば、モンドセレクションの運営団体は相当儲かっているはずです。
知っておいてほしい4つの事
1.消費者目線では、日本ではモンドセレクション受賞に意味はない
そもそも、モンドセレクションは高級なものや、他と比較して特に高品質なものに与えられる訳ではないのです。
評価の趣旨や、統計的なデータから見ても、成分表示と内容が同一であれば、何らかの賞は受賞出来そうです。
我々消費者が、勝手に高品質なものに与えられると勘違いしているだけなのではないでしょうか。
そもそも、日本で初めてモンドセレクションを受賞したのは、なんと たべっ子どうぶつ なのです。
その後、サントリーのモルツなども受賞し、サントリーはCMなどで、大々的にモンドセレクション受賞を宣伝しました。
明確には言わなくても、さも名誉ある賞を受賞したかのように宣伝したため、消費者はモンドセレクションはすごい賞であると勘違いした可能性があります。
このように、これまでのデータを見ると、そこまで特別に名誉な賞では無いと言えます。
しかし、食品などの成分表示が正しい事の、一つの証明くらいにはなるでしょう。
2.売り手からは、マーケティング材料としてつかえる
売り手から見た場合、消費者の多くはモンドセレクションを勘違いしている為、モンドセレクション受賞を唄う事により、メリットがあります。
ブランド性を確立できる点です。
ブランドの確立には多くの時間を要するのが常識ですが、権威ある賞を受賞したとするとブランドを短期間で確立でき、且つ広告効果もあります。
企業は、モンドセレクションを受賞することで、この点でメリットが有ります。
企業とモンドセレクションの経営母体も恐らく、このことを強く認識しているはずです。
モンドセレクションのHPには、モンドセレクション受賞のラベルを商品に記載する事で、品質の保障を行い販売促進ツールとして利用する事を挙げています。
また、モンドセレクションに受賞し、ラベルを乗せたら売り上げが3倍になったよ!と企業の感想を乗せて、応募を募っています。
3.アジア地域以外の人には、おそらく知名度は低い
応募の出品国を見ると、実に70%がアジアからの応募です。
殆ど、日本からの応募か、日本をマーケティングターゲットにした周辺国からの応募の可能性が高いと思います。
なんせ、日本のスーパーやドラッグストアにはモンドセレクションで溢れているので。
モンドセレクションの本拠地があるヨーロッパからの応募は、全体の10パーセントにすぎません。
このことからも、日本人以外の人はモンドセレクションなんてほとんど知らないと思われます。
ブランドが大好きなアジア人は特にターゲットにされている事でしょう。
4.協会ビジネス化しているかも
資格や認定協会は数多くありますが、ビジネス化されているのが殆どです。
一回の応募料金が約15万円で、受賞率が74%という事なので、受賞ハードルを低くして応募数を稼いでいる可能性もあります。
これは私の勝手な憶測ですけどね。
情報リテラシー
私たちは大量生産、大量消費社会で生活しています。
その為、企業も売り上げを上げなければならず、その売り上げが社員の給与に反映され、私たちの生活を支えています。
売り上げを上げるためのマーケティングは高度化・多様化し、新しいマーケティング戦略を打ち出すのは大変です。
そのような中で、モンドセレクションは企業に手軽なブランディング方法を提供しているように見えます。
消費者の私たちは、自分の欲しい目的にあった物を購入しますが、真に欲しい物を見分けたいのであれば、正確な情報を得て的確に判断する能力が必要です。
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