白い卵に茶色い卵、スーパーに行くと様々な色の卵が販売されていますね。
ウズラの卵なんて濃い茶色のまだらが混ざった色をしています。
いろいろな色の卵が並んでいる場合、皆さんはどの卵を選びますか?
「茶色い方がなんだか栄養価が高そう・・・」って印象があると思います。私もそのイメージが強いです。
しかし残念なことに、科学的にこの卵の殻の色と中身の栄養には関連性が無いことが解っているんです!
色が違うのは、卵の殻だけではありません。
黄身の色にも濃い色の物から薄い色のもの、オレンジ掛かった色の物まで様々です。
黄身の色にはただ色を変えることを目的としている場合で栄養敵には同様な物と、ちゃんと栄養価に違いがでている卵と2種類あります。
これらのことについて、科学的な資料から仕組み等をまとめていきたいと思います。
卵の殻の色が違う理由
ミシガン州立大学の一般向け資料によると、殻の色は遺伝学的な要素で決定されます。
つまり、鶏の品種によって殻の色が決定されるということです。
レグホン鶏は白い卵、オーピントンは茶色の卵、アメラカナは青色の卵を産みます。
青色の卵なんて、日本ではなかなか目にしたことはありませんが、食べてみたいですね。
他にもオリーブ色の卵を産む種類もあるようです。
日本でも好まれている桜色の少し茶色のような色の卵は、これらの品種のかけ合わせの品種の卵のようです。
鶏の種類によって殻の色が違うのはなぜ?
鶏の品種によって殻の色が違うのは解ったのですが、なぜ品種によって殻の色が違うのでしょうか。
これは卵の殻の生育過程に関係があるようです。
元々はすべての卵の殻の色は白色をしています。
卵は鶏の卵管を通って体外へ産卵されますが、この卵管を通るのに26時間かかります。
さらに卵の殻が完成するまでには20時間程度を要します。
初めは白い卵の殻ですが、卵管内を通過している際に鶏の種類によって卵に色素が沈着していくのです。
例えば茶色の卵を産む鶏の場合は、卵が卵管を通過している間に茶色の色素(プロトポリフィン)が分泌され卵の殻に沈着します。
このような仕組みのため、殻の表面は茶色でも、殻の内側は白色をしているのです。
卵を割ったときに内側を見てみてください。内側は白色をしているはずです。
卵の殻の内側の色が本来の卵管で着色される前の色ということです。
卵の殻の色と栄養価
これで卵の殻の色と栄養素の関係については、もうお分かりだと思います。
卵の殻の色は卵管通過の際の色素沈着です。
なおかつ、普通の人は卵の殻は食べません。中身の黄身と卵白だけしか食べません。
栄養上は、卵の中身(黄身と卵白)と卵の殻の色には関係はないのです。
茶色の卵でも、白色の卵も中身は一緒で栄養も変わりません。
黄身の色が違う理由
卵の殻の色については、形成過程もどのように色が付くのか理解できました。
黄身の場合はどうでしょうか。卵の黄身も卵の殻と同様に様々な色の物があります。
黄身が黄色の物、少しオレンジがかった色の物、最近では黄身の白い卵まであります。
この違いはどこから生まれてくるのでしょうか。また黄身の色によって栄養価に違いはあるのでしょうか。
なんとその答えは、鶏の餌にあります。
卵の黄身の色は鶏の餌の色によって変化するのです!
餌の色素が黄身の色に及ぼす影響
黄身の色が違うのは鶏の餌の色素に影響を受けているからです。
では通常の黄色い黄身はどのような餌の色素の影響を受けているのでしょうか。
よくある黄色の黄身の卵は、餌であるトウモロコシの黄色の色素の影響を受けています。
黄身が黄色いのはトウモロコシの黄色ということです。
しかし、オレンジ色の黄身は鶏に何を与えればできるのでしょうか。
それは、マリーゴールドや唐辛子、パプリカ等の赤い色の食品を餌に混ぜでいるのです。
卵の殻は、鶏の種類によるものでしたが、卵の黄身の色は餌の色素に影響されていたのです!
黄身の色と栄養価
ここで気になるのが、黄身の色と栄養価との関係です。
鶏の餌の色素が黄身の色に影響するということは、餌の栄養価も黄身の栄養価に影響を与えているということです。
しかし、黄身の栄養を強化するには色素に影響を与える程度の少量の餌ではなく、餌の大部分を影響を強化したものに変える必要があります。
たとえば一般的な鶏の餌の配分は以下の様な比率が多いようです。
原料 | 比率 |
トウモロコシ | 65% |
大豆 | 6% |
魚 | 6% |
牡蠣がら | 4% |
その他 | 19% |
この構成比率のうち、トウモロコシを違う栄養素の物に変更したりすると、栄養価にも影響が出てきます。
総括すると、黄身の色を変更する程度に餌を変えた物は栄養価はほとんど変わらないが、餌の構成要素を大きく変更している物は餌の構成要素により栄養価が変わるということです。
黄身が白い卵も存在す
卵の栄養は餌の構成要素が大きく変わることで変化するのですが、そんな卵の中で「ホワイトたまご」というものがあります。
これは鶏の餌の半分以上を白米にして餌として与えたものです。
そのため黄身が黄色い原因となっているトウモロコシの着色が無くなり、黄身が真っ白な卵なのです。
鶏の餌が違うため栄養価にも普通の卵とは違っており、脂質が少なくカロリーも少なくなっています。
こんな卵が実際に市場に出回っていたりするのです。
また高級たまごと言われるような、贈答品として使用され鵜様な卵も餌を工夫することによってうま味を増したり、栄養価を強化していたりするようです。
健康に気を使っている方や、興味のある方は一度試してみてはいかがでしょうか。
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