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毎年流行 ノロウィルス 流行の仕組みと予防法 実は現代病!?

 

ある意味特殊なウィルス

はじめに

個人的な話ですが私は根っからの理系人間です。大学も仕事もそっち系です。
メディアや物販を見ていると”とんでも科学系”の怪しい知識がほとほと多いのをご存知でしょうか。
気づかない人は気づかないのですが、恐らく皆さんが思っている以上に身の回りにはおかしな理論の物が平然とあるものなのです。

公的機関や学会論文などでは普通のこととして認識されているような内容でも、メディアでもあまり取り上げられず、一般には常識化されていないものがあります。

今回はそんなものの一つだと僕が認識しているノロウィルスについて書いてみたいと思います。
ノロウィルスの事、正しく認識できていますでしょうか?


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ノロウィルスの歴史

 

 

1968年にアメリカ ノーフォークの小学校で集団発生した急性胃腸炎患者から初めて検出されました。
地名からノーフォークウイルスと名づけられました。

1972年に電子顕微鏡による観察で明らかになり、ウイルス粒子の形態的特徴からSRSV:小型球形ウイルスと名づけられ、この後、同ウイルスによる食中毒が世界各地で報告されるようになりました。

いかがでしょうか。発見が1968年、明らかになったのが1972年。結構新しいウィルスだと思いませんか。

食品が傷んだことによる食中毒であれば、もっと衛生環境の悪かった昔から症状があったはずです。

 

人類の腸管内でのみ増殖

正しい知識は、正しい情報源から得たほうが良いです。
国立感染症センターのHPにも記載されていますが、ノロウィルスは基本的に培養出来ません。

現代においてもノロウィルスは人の腸管内にのみ増殖する特徴を持ち、動物の腸管内でも増殖しないのです。

ノロウィルスは唯一電子顕微鏡でのみ観察可能であることと、DNAによる解析ができるのみです。
ウィルスの培養が出来ないため、有効な薬の開発が出来ず、2018年今日まで有効なワクチンは発売されるに至っていません。
唯一、武田薬品工業が2016年からノロウィルスワクチンのフィールド試験を開始しておりますが、発売には至っておりません。

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血液型の違いによる発症の違い

 

 

日本ウィルス学会に2008年に掲載された論文(*リンククリックで外部サイトへ移動します-->ノロウイルスと血液型抗原)によると

A型とO型は疾患しやすく、AB型とB型は疾患しにくいことが発表されています。

これはノーフォークウィルス種のみに限った研究結果です。
しかしながら、血液型の別によって、疾患に差が出るというのは不思議なウィルスですね。

残念なことに、今ではノロウィルスも多くの種類に進化しており、まったくこの血液型による違いに当てはまるというわけではありませんのでご注意ください。

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ノロウィルス感染を増やしているのは人類自身?

 

 

ノロウィルスの感染は人から人への感染と、汚染された魚貝類を食べたことによる感染があります。
多くは汚染された貝類を食べたことによるものと考えられています。

人間の腸でしか培養出来ないノロウィルスがなぜ魚介類にふくまれるのでしょうか?
汚染された貝類はなぜ汚染されたのでしょうか?

ここ数年でその感染経路がだんだんとわかってきたようです。
貝類は海に生息しており、海水にノロウィルスが混入していた事が解りました。
さらに追跡したところ、その海水は川から流れてきており川の上流には下水処理施設があったのです。
下水処理施設のさらに上流の川の水にはノロウィルスは混入していなかったのだそう。

近年のノロウィルスの流行にはこういったことが関連しているのです。

  1. 人の腸管内で増殖
  2. 排泄により下水処理施設へ
  3. 下水処理では処理できず、多くの人のウィルスがまとめて川へ
  4. 下流の海へ流れ込む

というサイクルを繰り返しています。

では、なぜ汚染されるのが貝類だけかというと、貝類には海水を吸い込み浄水し、体内に物質をため込む作用があるためです。
このため貝類の体内ではウィルスがため込まれ濃縮されてしまったという結果になります。

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予防方法

 

 

1.手洗いの徹底

 

ノロウイルスは、有効な予防薬がありません。
体内にいれないようにすることが重要となります。
帰宅後は家庭内感染を防ぐためになるべくさわる場所を少なくし、すぐに手洗いとうがいをしましょう。
また、外出先では嘔吐物がある場合にはできるだけ近づかないようにしましょう。

 

2.嘔吐物の処理

 

誰かが感染してしまった場合は注意が必要です。
嘔吐した場合は、使い捨てビニール手袋とマスクを使用しウィルスに接触しないようにし、ビニール袋にまとめ捨てます。

また、嘔吐物を拭き終った場所を次亜塩素酸等(台所用ハイタ―等)で消毒します。
できれば手すり、ドアノブ、床、廊下も感染経路となることがありますので消毒しましょう。

 

3.食品は十分に加熱

 

食べ物を加熱してから食べることを心がけましょう。
特に貝類については生食用であっても完全に保証はできませんのでご注意を。
加熱には中心温度が85℃、1分以上の十分な加熱調理を行います。
使用したまな板や包丁、手指からの二次感染にも注意し、別の食材を調理する前に必ず消毒を行います。

 

4.  免疫力を高める

 

日ごろから健康管理を行い、腸管の免疫力を高める為には、ラクトフェリンや乳酸菌飲料が有効であると発表されています。

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なぜラクトフェリンがノロウィルス予防に有効と言われるのか

 

 

ラクトフェリンは人の母乳をはじめ、哺乳動物の乳に含まれるたんぱく質の一種です。
赤ちゃんが初めて口にする母乳に含まれ、病気の感染を防ぐ役割があります。

ノロウィルスに対してのラクトフェリンの役割は次の二つです。
そもそもノロウィルスは人体の腸に入り込み腸管の表面の細胞から体内に入ることで悪さをします。
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